Oh-o! Meiji

シラバス

年度 2020 年度
授業科目名 (前)情コミ研究科  専門研究(ジェンダー論)Ⅰ
担当教員 田中 洋美  准教授 単位数 2
開講日 春学期/木曜日/3限 キャンパス 駿河台
科目ナンバー
(IC)GDR511J
主催区分 IC:情報コミュニケーション学部・情報コミュニケーション研究科 授業形態 1:講義
学問分野(大区分) GDR:ジェンダー 授業言語 J:日本語
レベル 5:大学院(修士・専門職) 基礎的な内容の科目
学問分野(小区分) 1:ジェンダー

授業の概要・到達目標

 社会を特徴づけるジェンダー関係の社会構造についての理解を目指す。春学期は,ジェンダー論の基礎を学ぶ。まず履修者全員で自らのジェンダー知を確認する。学術的知識だけでなく,これまでの人生でどのようなジェンダー観を持つに至ったのかを振り返ってもらう。その上でジェンダー論の導入として身体に関わる社会現象について考える。一見「自然」で「所与」のものにみえる身体が社会・文化的構築物であり,その多くがジェンダー化されていることについて理解を深めていく。数々の事例研究を通して,ジェンダーがいかに社会構造に埋め込まれているのかを把握した上で,後半は,ジェンダー研究およびジェンダー概念の系譜について,その成立の背景も含めて学ぶ。最後の数回では,現在のジェンダー研究において重要な視座となっているグローバリゼーション論,インターセクショナリティ論,クィア論を概観する。

授業内容

第1回 イントロダクション
〈第Ⅰ部 ジェンダーとは何か?〉
第2回 ジェンダー知を振り返る
第3回 身体とジェンダー
第4回 身体とセクシュアリティ
第5回 身体と美
第6回 身体の商品化にみる性現象
〈第Ⅱ部 ジェンダー概念の登場とジェンダー研究の展開〉
第7回 自然/文化としてのセックス/ジェンダー
第8回 社会構築主義と性役割論
第9回 ポスト構造主義とポストモダン理論
第10回 ジェンダー秩序と覇権的マスキュリニティ
〈第Ⅲ部 ジェンダー理論の現在〉
第11回 グローバリゼーションとジェンダー
第12回 インターセクショナリティ
第13回 ヘテロノーマティヴィティ批判とクィア理論
第14回 まとめ
*講義内容は履修者数等により,変更することがある。

履修上の注意

 本授業は文献講読に基づいている。従って授業前に十分な準備が必要である。

準備学習(予習・復習等)の内容

 予習:疑問点や議論すべき点などを予め考えておく。予習をしっかりした上で授業に参加すること。
復習:毎回の授業内容を振り返り,メモしておく。メモは,学期末の発表の準備やレポートの執筆の際に役立つはずである。

教科書

 Butler, J. 1990. Gender Trouble: Feminism and the Subversion of Identity. New York: Routledge(=1993『ジェンダー・トラブル――フェミニズムとアイデンティティの撹乱』青土社)
 Connell, R. W. 198. Gender and Power. The Society, the Person and the Sexual Politics. Cambridge: Polity(=1993『ジェンダーと権力――セクシュアリティの社会学』森重雄ほか訳,三交社))
 DeMello, M. 2014. Body Studies: An Introduction. London: Routledge(=2017『ボディ・スタディーズ』晃洋書房)
 井上俊他編1995『ジェンダーの社会学』岩波書店
*その他,授業で指示する。

参考書

 Connell, R. and Pearce, R. 2014. Gender: In World Perspective. 3rd Edition. Cambridge: Polity(初版邦訳:R・コンネル2008『ジェンダー学の最前線』社会思想社)
 Pilcher, J. and Whelahan, I. 2004. 50 Key Concepts in Gender Studies. London: Sage(=2009『ジェンダー・スタディーズ:キーコンセプト』新曜社)
*その他,授業で紹介する。

成績評価の方法

 授業態度,授業で議論への貢献(50%)および発表準備,レポート等課題への取り組み(50%)に基づいて評価する。

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