授業の概要・到達目標
〈授業の概要〉
本講義では「女性」「男性」という性別(ジェンダー/社会的・文化的性別)をめぐる「常識」は、どのように社会のなかで維持・再生産されてきたのかを考察する。ジェンダーがつくりだすのは「女らしさ」「男らしさ」という性別役割のみならず、人間関係のあり方でもある。ジェンダーとセクシュアリティが不可分な領域であることを踏まえ、自己と他者との関係、国家における個人と集団の関係など、異性間のみの関係が前提とされてきた社会の問題についても検討する。
〈到達目標〉
・現代社会をジェンダーの視点で読み解く力を習得する。
・社会における性規範(性別二元論、異性愛主義)を理解する。
・規範から排除される存在についての想像力を養う。
授業内容
1.イントロダクション:講義の進め方と
2.ジェンダーとは何か?(1):ステレオタイプと性規範
3.ジェンダーとは何か?(2):性の多様性・多層性
4.〈自己〉と〈他者〉を考える(1):アイデンティティの形成
5.〈自己〉と〈他者〉を考える(2):他者排除と差別
6.〈自己〉と〈他者〉を考える(3):社会運動という手法
7.映像視聴①:社会運動の事例から
8.〈家族〉と〈結婚〉を考える(1):性別役割分業・ジェンダー
9.〈家族〉と〈結婚〉を考える(2):婚姻・パートナーシップ
10.〈家族〉と〈結婚〉を考える(3):戸籍制度
11.映像視聴②:多様な家族の事例から
12.宗教と性規範(1):フェミニスト神学
13.宗教と性規範(2):クィア神学
14.ふりかえりとまとめ
履修上の注意
前提となる知識は求めないが、ジェンダー/セクシュアリティをめぐる諸課題について、日常のなかで立ち止まり、“あたりまえ”を問う視点をもつことが望ましい。受講者の人数に応じて、グループディスカッションなどを適宜取り入れる場合がある。また、受講生の理解度や関心によって扱うテーマを多少変更する可能性がある。
準備学習(予習・復習等)の内容
配布されたレジュメや資料を熟読し、できれば講義で紹介する参考文献等に目をとおすこと。また、わからない点があれば図書館で調べる習慣を身につけること。
教科書
参考書
堀江有里『レズビアン・アイデンティティーズ』(洛北出版)
エリザベス・ブレイク『最小の結婚――結婚をめぐる法と道徳』久保田裕之監訳(白澤社)
デボラ・ヘルマン『差別はいつ悪質になるのか』池田喬・堀田義太郎訳(法政大学出版局)
岡野八代『フェミニズムの政治学 ――ケアの倫理をグローバル社会へ』(みすず書房)
ほか講義にて紹介する。
成績評価の方法
期末レポート(70%)のほか、授業への貢献度(30%)などを考慮し、総合して成績評価をおこなう。ほか、講義ごとにコメントシートの提出を求める。
なお、受講生が30名を超えた場合には、期末レポートにかえて期末試験を実施する。
その他
Page Top