Oh-o! Meiji

シラバス

年度 2019 年度
授業科目名 理工学部  メカトロニクス実験
担当教員 松岡 太一  教授 単位数 3
開講日 秋学期/木曜日/3限、秋学期/木曜日/4限、秋学期/木曜日/5限 キャンパス 生田
科目ナンバー
未設定
主催区分 授業形態 4:実験
学問分野(大区分) 授業言語 J:日本語
レベル
学問分野(小区分)

授業の概要・到達目標

 この科目は学位授与方針に定められた A(幅広い基礎知識と応用能力),B(問題発見解決能力・チームワーク能力)に関与する。
この科目の目的は,次の2つである。
1.実技・実習などの体験を通して,エンジニアリングデザイン能力を身に付ける。
2.工学者として実験手法を身につけることは必須である。この科目では実験・実習を行い,その過程を体験することによって,講義における様々な基礎知識の理解を深める。あわせて実験の計画遂行能力と得られた結果の考察能力を養成する。
到達目標:
・エンジニアリングデザイン能力を身に付ける。
・機械工学に関する専門的な実験実習を行い,コンピュータ,情報,計測・制御,メカトロニクス,電気,力学の応用を理解する。
・実験装置を使うための基礎的手順と注意事項を理解する。
・工学レポートの書き方,実験ノートの書き方を習得する。

授業内容

[第1回] エンジニアリングデザイン実習ガイダンス,各研究室の実験
[第2回] エンジニアリングデザイン能力育成課題
[第3回] エンジニアリングデザイン課題発表会
[第4回~14回] 各研究室の実験
〈エンジニアリングデザイン実習〉
 定められた特定の課題について,グループで討論しながら解を見つけていく作業を行う。
〈共通実験2〉
 NC 工作機械のプログラミングと加工:NC 工作機械を使い,CNC,マシニング,FMS 及び CIM についての概要を学習する。また,プログラミングと加工技術の初歩を学ぶ。
〈共通実験3〉
 オペアンプの基本特性と応用:ブレッドボード装置を用いて,アナログ回路の基礎となるオペアンプの特性試験,アクティブフィルタの設計製作,発振回路設計と評価を行う。
〈メカトロニクス実験〉
1.ハードワイヤードシーケンス制御:シーケンス制御はハードウェアによる方法とソフトウェアによる方法とがある。ここでは前者の流体論理素子を使って制御回路を試作する。
2.ソフトワイヤードシーケンス制御:コンピュータを用いたソフトウェアによりシーケンス制御を行う。インターフェイス素子の使い方及び機械システムとのインターフェイスについて学習する。
〈機械力学実験〉
1.振動モード実験:片持ちはりの振動モードを実験および解析により調べる。
2.振動制御実験:地震波加振実験を行い,振動低減効果を実験とシミュレーションによって調べる。
〈生体情報工学実験〉
 RF 高周波電流加温:2枚の平行平板電極で含水物質を挟み 8 MHz あるいは13.56 MHz の RF(Radio Frequency)高周波電流を流すと,含水物質内にジュール熱が発生しその温度が上昇する。実験では2枚の平行平板電極での加温,一方が平板電極で他方が針電極での加温実験を行う。それぞれの加温実験で加温パターンを確認する。加温用電極の違いにより加温パターンが異なることを学習し,高周波電流加温の基本的な原理を理解することを目標とする。
〈環境情報実験〉
 レーザー誘起燐光法を用いた光学的温度計測:燐光の強度及び寿命が温度依存性を有する感熱燐光体からの燐光を紫外レーザー等を励起光源として計測することで,高速移動体表面の温度など,熱電対やサーモグラフィ等の従来法では計測が困難な物体の温度を非接触・瞬時計測する方法を学び,分光計測法について理解を深めることを目的とする。
〈計測工学実験〉
 3次元画像計測:ステレオ画像を利用した3次元計測の原理を理解する。民生用カメラで撮像されたステレオ画像から対象物体の3次元形状を算出し,誤差要因,および,計測精度の改善方法を議論する。
〈情報統計学実験〉
 パラメータ設計:走路が平面から凹凸までばらつくという条件の下で,一周◯秒(未知)で周回し,周回時間のばらつきの小さいミニ四駆を設計する。また,実験を通じて,パラメータ設計の手順および意義を理解する。
〈材料システム実験〉
1.引張試験:炭素鋼の引張試験を行い,炭素鋼の機械的特性を評価する。実験を通してヤング率,降伏応力等の基本的な材料特性について確認する。
2.硬さ試験:炭素鋼の硬さ試験を行う。ビッカース硬さ試験により硬さを評価し,硬さ値の物理的な意味および硬さ試験の利点について理解する。
〈マニピュレーション実験〉
1.サーボ制御系の実験:モータを用いてサーボ制御系の実験をする。まず,制御システムの設計仕様のモデル化を行って基礎式を導く。パラメータを同定し仕様を満たす制御系を設計する。最後にステップ応答,ランプ入力応答を調べて検証を行う。
2.PLC によるシーケンス制御:PLC を用いてシーケンス制御の実習を行う。自己保持回路とタイマーを用いたシーケンス制御系を構成する。その際,テレビのクイズ番組の早押し回路,自動洗濯機の回路,ボール盤の自動化など具体的な例を対象にして実験を行う。

履修上の注意

●持参物
 テキスト(電子版,要印刷はプリントアウトして持参すること),実験専用ノート(5 mm または10 mm のセクションノート)名前を書いておくこと。筆記用具,関数電卓,定規。名札(1年次に配布済み,持参しないと減点の対象,同等品であれば可)。
●服装
 実験室(工場を含む)毎に安全に対する対処の仕方が異なるので,“安全の手引き”を確認して実験に臨むこと。動きやすいもの,実験中は帽子・垂れ下がるもの(マフラ,アクセサリ,袖飾など)禁止,工場ではサンダル履き,半ズボン禁止(安全靴等に履き替える),爪も切った方がよい。実験着・作業着を準備することが望ましい。
●実施予定
 班毎に各研究室に分かれて実施
 当該実験テーマの内容及び注意事項を熟読し実験に臨むこと
 事前に研究室の場所を確認しておくこと
 実験を欠席した場合は単位取得が難しいので,できる限り休まないこと
 交通ストライキ,悪天候等のやむを得ない事情で実験が実施できなかった場合は,原則的に全体の予定を1週間繰り下げる
 休講,スケジュール変更,プレゼン等の追加情報は本ウェブサイトに案内するので注意すること
 各班の実験最終日(補講を除く)にノートチェックを行う

準備学習(予習・復習等)の内容

●予習書
 事前にテキストを熟読して各実験の予習書を作成すること。実験当日午後1時30分までに各実験(研究室)指定の場所に提出する。各実験の予習書はダウンロードして使うこと。
●レポート
 表紙はダウンロードし,A4 紙,ホッチキスで左端2か所綴じ,筆記用具(ボールペン,パソコン使用や鉛筆書きの可否)は研究室で指示することがある。注意事項にある“実験レポートの書き方”を熟読して作成すること。締め切りは,実験翌週月曜日午前10時50分まで。

教科書

 テキストは以下 URL からダウロードすること
 http://www.messe.meiji.ac.jp

成績評価の方法

 実験毎でレポートおよび予習書の内容が採点され,エンジニアリングデザイン実習の評価を加えた平均値が60点以上を合格とする(レポートは定期試験と同じ扱いとし,期限までに提出しない場合採点対象にならない)。名札の有無,遅刻は減点とする。他人のレポートを写した(コピー)と判断された場合には,カンニングと同じ扱いとする。
 なお,エンジニアリングデザイン能力に関する総合的な達成度評価は,この科目のテーマ〈エンジニアリングデザイン〉の点数で評価される。

その他

●オフィスアワー相談時間
 各実験担当教員に問い合わせること。
●連絡先
 共通実験II      :内田       工作工場 5110
 共通実験III      :阿部 居室4216A 実験室 4216B
 メカトロニクス実験  :小山 居室5102  実験室 5101
 機械力学実験     :松岡 居室4111  実験室 4110
 生体情報工学実験   :加藤 居室4304A 実験室 4304B
 環境情報実験     :相澤 居室4209  実験室 4209
 計測工学実験     :石原 居室5105B 実験室 5104A
 情報統計学実験    :永井 居室4208  実験室 4207B
 材料システム実験   :有川 居室D101  実験室 D102
 マニピュレーション実験:小澤 居室4212  実験室 4211

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